きょんもり氏インタビュー「アビスパサポーターに聞く、冨安健洋」

こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第29回は、アビスパ福岡サポーターへのインタビューをお届けします。冨安選手の過去から現在まで、彼を見守ってきたサポーター目線で語られるプレースタイルやエピソードをぜひお楽しみください!
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山中拓磨(以下山中):本日はよろしくお願いします。まずはディ アハトの読者に向けて自己紹介からどうぞ!
きょんもり:アビスパ福岡を応援して12年目、福岡生まれ福岡育ちのきょんもりと申します。冨安君とは同い年です。普段はTwitter(@kyonmori_)やnote(https://note.com/kyonmori/)で発信したり、架空のサッカークラブ「葉羽エストレーノ」のオーナーをやったりしています。
山中:そろそろアーセナルファンになりましたか?
きょんもり:いきなりどうしたんですか(笑)!今日はディ アハトで記事として掲載するためのインタビューと聞いていたので、ちょっとかしこまった感じかと思ったらいつもと同じノリじゃないですか!
山中:すみません、画面にアーセナルのバッグが映っていたのでつい・・・(これは山中がきょんもり君の誕生日プレゼントに送りつけた)。今日のインタビューもアーセナルに大いに関係ある内容ですし、早速冨安について色々聞いていきたいと思います!

届きましたと報告をしたら「それを持ってるってことはアーセナルサポーターですよね?」と脅されたけど、嬉しい!やった!
◇夢だったプレミアリーグ移籍がついに実現
山中:最初に、冨安がアーセナルに移籍すると聞いた時の反応を教えてください。
きょんもり:もうプレミア移籍が実現したのか!って感じでしたね。
昔のアビスパの選手名鑑とかにも載ってるんですが、冨安君って昔からずっと将来はプレミアリーグに行くんだと言っていたんですよ。確かに当時からアビスパファンの間では冨安君はめちゃくちゃ注目されていて、「ついにアビスパから日本代表に将来選ばれそうな選手が出てきた!今のうちにグッズ集めとけ!!」って結構言われていましたね。
彼はユース時代から既に有名で、高校3年生の時にFC東京戦でJリーグデビューしているんです。この時はボランチで、とんでもない守備力だなと思ったのを覚えています。

ただ、アビスパからヨーロッパに移籍した選手なんてほとんどいなくて。シント=トロイデンVVへの移籍が発表された時も、流石にまだ海外移籍は早いだろ!と内心思っていました。この時アビスパはJ2で、J1昇格も出来ていない状態でした。いくら彼のプレーがすごいと言っても、J2の当時19歳の選手がいきなり海外で通用するわけない、とみんな思っていたような気がします。
山中:なるほど。ということはアーセナル移籍以前に、そもそもベルギーリーグで活躍していた時点でアビスパのサポーターにとっては驚きだったということですか?
きょんもり:そうですね。しかも冨安君はアビスパでは基本ボランチかCBでプレーしていたので、ヨーロッパ移籍後は結構サイドバックで出ていてびっくりした記憶があります。見ていたら普通にドリブルやクロスもしていて、お前そんなこと出来たんか!!という状態でした。
シント=トロイデンに移籍したと思ったら、1年半後にはもうセリエAのボローニャに移籍。そして今年はあのプレミアリーグのアーセナルに加入していて、もう2度びっくり3度びっくり、って感じですね。
この夏は結構トッテナムへの移籍の噂が出てたと思うんですが、流石に今の段階でプレミアリーグ移籍は飛ばしだろう、と思っていたんです。ところが移籍市場最終日にアーセナル移籍が発表されたので、「ほんとにもうプレミア行くの!?え、しかもアーセナルってあのアーセナル!?」と衝撃でした。

山中:右サイドバックが既に4人いた(ベジェリン・ナイルズ・セドリック・チェンバース)のにもう1人右サイドバックを獲ってきたので、アーセナルファンもびっくりでした(笑)。
◇アビスパ福岡時代のプレーの印象・スタイル
山中:アーセナルに移籍してからの冨安は、プレースタイル的にはアビスパ時代と比べてどうですか?
きょんもり:スタイルとしては、アビスパの時から1対1と空中戦にめちゃくちゃ強い選手だったので、そこは今とそんなに変わってないですかね。基本的にアビスパではサイドバックでプレーしていなかったので、その違いはありますけど。
もちろんその頃はJリーグ基準で1対1と空中戦に強い選手、というだけだったので海外でどこまでやれるかはまだ未知数でした。それが今や、プレミアリーグ基準でも普通に通用してるのはすごいことですよね。
今も昔もとても安心感がある選手だと思うんですが、J2時代から穴がなさ過ぎて逆に目立たないくらいでした。やっぱりJ2だと、特に若手は粗い部分が目立つ選手も結構いますから。もちろんそれも含めて魅力なのですが。そういった意味では今のスタイルも、「ミスターパーフェクト」というイメージそのままに完成度が上がって成長した感じですね。
当時アビスパの監督は、冨安君が生まれた1998年に行われたフランスW杯でキャプテンを務めた名CBの井原正巳さんだったんです。もしかするとそういった名選手に指導してもらえたことも大きかったのかもしれません。
山中:そうですね、守備に関しては現時点でアーセナルでも「ミスターパーフェクト」に近いレベルにあると思います。
既に冨安は現地のアーセナルファンの間でもめちゃくちゃ高評価をされていますが、日本代表の選手だからみたいなひいき目抜きに、アーセナルでこんなに守れるDFを久々に見ました。スタイルは違えど安心感という意味ではサニャやモンレアル以来でしょうか。
◇ピッチ外でのエピソード
山中:ちなみに、彼のピッチ外での話題やエピソードなどはありますか?
きょんもり:それでいうと、僕福岡出身なんですけど、冨安君を街で見かけたことがあります。冨安君ってヨーロッパに移籍してからも、日本に帰ってくるといつもアビスパの試合を観に来てくれるんですよ。その時も福岡の天神っていうエリアを歩いていたら、普通に冨安君がいましたね。
ただ、僕はアビスパサポーターなので冨安君だとわかりましたが、他の人は気づいていなかったと思います。同い年とは思えないオーラを放っていて、服装はシンプルなおしゃれ、って感じでした。やっぱりスタイルがいいと何着ても映えますね。
◇きょんもりから見るアーセナル
山中:冨安の移籍を機にアーセナルの試合をチェックするっていう人も結構いるのかなと思うんですが、きょんもり君から見たアーセナルはどうですか?
きょんもり:たまたまかもしれないですけど、知り合いのアビスパファンに結構アーセナルも応援している、っていう人が多かったんですよね。なので、実は僕も昔は結構アーセナルの試合を観ていました。やっぱりアーセナルって夢がありますし、好きなチームは?って聞かれたときにアーセナル、って答えられるとなんか格好いいですよね。
山中:流石!!!わかってますね!!!
きょんもり:最近はそんなに観ていなかったんですが、冨安君の移籍が決まる前から山中さんに観ろ観ろと言われ続けていたので、開幕戦のブレントフォード戦を見ました。ただ、以前のアーセナルと違いすぎてやばっ!(悪い意味で)と思いましたね。
僕がいつもアーセナルの試合を観ていたのは2013~15年頃とかで、エジル・アルテタ・カソルラが居た時代が好きだったので。このころのイメージが非常に強くて、昔とずいぶん違うなってちょっと驚きました。エジルももういませんでしたしね。
◇「ア」のつくあのクラブ
山中:開幕戦がやばかったのもエジル・カソルラ・アルテタが魅力的だったのも同意なんですが、なんでそのあとアーセナルを見るのを1回中断しちゃったんですか!?
きょんもり:多分僕がアビスパサポーターだからかなと思うんですが、どちらかというと僕は強豪というよりもダークホースみたいなチームが好きなんですよね。イングランドだとアストン・ヴィラのファンなんです。15/16シーズンまでは普通にヴィラもプレミアにいたので、対戦相手を見るという意味でアーセナルも見ていました。
ただ、ヴィラが降格してからは気合いでチャンピオンシップ(英2部)を見るようになったので、プレミアリーグはあまり見なくなってしまいましたね。
山中:なるほど、逆にそれだったら今のアーセナルは丁度良いかもしれません(笑)。ちなみに、チャンピオンシップってそんな簡単に日本で見られるんでしたっけ?
きょんもり:実はTVではなくて、ヴィラが自前で運営しているヴィラTVというのがあって。それに月2000円くらい課金して観ていました。
ただこれ、イングランドのTV局が放映権を持っている試合は観られないんですよ。なので、2部に降格してついにアストン・ヴィラvsバーミンガム・シティのバーミンガムダービーが実現!!と盛り上がっていたら、この試合はSky Sportsで放送されていたらしくヴィラTVでは見られなかった、という悲しい思い出があります。
山中:今のヴィラで特に好きな選手とかっていたりしますか?そういえば夏にグリーリッシュがシティへ……おっと!
きょんもり:アストン・ヴィラ2部時代のグリーリッシュのユニフォームを持っていたんですが、今回の移籍が辛すぎてこのユニフォームは福岡の知り合いがやっているバーに一旦預けてあります……(涙)。


◇アーセナルで気になる選手
山中:トラウマをえぐってしまい失礼しました!逆に今のアーセナルで面白いなと思う選手とかはいますか?
きょんもり:僕が試合を観た中だと、ニコラ・ペペとエミール・スミスロウですかね。ペペはドリブルしまくってシュート打ちまくって良い選手だなと思ったのと、スミスロウは「天才」って感じですよね。そんなパス出せるの!?っていう場面が何度もありました。
山中:確かにスミスロウはそれこそ2010年代のアーセナルの天才肌のプレーメイカー達の系譜を継ぐ存在ですよね。スミスロウとマルティン・ウーデゴールに関しては昔を忘れられない系アーセナルファンからすると、やっぱりアーセナルはこうでなくちゃ!という気持ちで彼らのプレーを観ていると思います。
◇アーセナルでの冨安に期待すること
山中:これからアーセナルと冨安に期待したいことはありますか?
きょんもり:そうですね、色々ありますが、えーと……
山中:アーセナルでヒーローになってチャンピオンズリーグ出場権を取り戻してほしいですね。あと、冨安はまだ若いのでもしかすると将来的にさらにステップアップ移籍もあるかもしれないです。もしそうなってしまうのであれば、アーセナルに莫大な移籍金を残していってほしいです。
きょんもり:これ僕がアーセナルでの冨安君に期待することを言う場面じゃないんですか?(笑)
山中:失礼。僕の願望が思わず口から出てしまいました。
きょんもり:プレミアのプレースピードには既に適応していると思うんですけど、冨安君の良さは守備だけではないので。どんどんパスが出てくるようになれば、もっとその能力を活かせるんじゃないかなと思います。
山中:確かに、スタッツなどを見ても既に守備は高水準で、イタリアからやってきて1年目からこのレベルで活躍で来ているというだけでも十分偉業です。最近のアーセナルはバック4のメンツが固まってきているので、ここからさらに連携を深めていってほしいですね。
きょんもり:アビスパで育った選手が一流の舞台で活躍しているというだけでも嬉しいので、アーセナルで出場し続けて海外のファンからもいっぱい褒められてクラブや監督からも高評価を受ける、っていうのを継続していってほしいですね。
あと、チームのピンチにすごく良いタイミングで冨安が出てきて相手を止める、みたいな時にアビスパファンがよく使っていた「残念そこは冨安」っていうフレーズがあるんですよ。これ海外でも流行らないですかね?
山中:なるほど、そんなフレーズがあるんですね!英語版がロンドンで流行るかまではわからないですが、僕は積極的に使っていきます!本日はありがとうございました。

インタビュー・文:山中拓磨(@gern3137)
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ディ アハト編集部

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