【座談会】2023/24 プレミアリーグ・ベストイレブン企画
こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第98回は、 プレミアリーグファンによる2023/24シーズンのベストイレブン企画の様子をお届けします。最終結果は一体どうなったのでしょうか?ぜひお楽しみください!
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◇はじめに
今回お送りする記事は、Xのスペースにて開催した「23/24シーズンプレミアリーグ・ベストイレブン企画」の模様をアーカイブ化したものだ。
同企画では、プレミアリーグファン5名による事前投票を集計し、それぞれの選出ポイントや今季活躍した選手たちをピックアップ。激闘のリーグ戦を振り返った。加えて、輝きを見せた若手選手、最も優れた監督や成功した補強、ガッカリした補強などについても投票を行っている。
【ベストイレブン選出の形式と概要】
参加者は以下の5名。基本システムは〈4-2-3-1〉を統一して採用し、プレミアリーグ全20クラブから各々の基準で選手を選定してもらった。各ポジションで1巡目〜5巡目まで選び、1巡目:5ポイント、2巡目:4ポイント、3巡目:3ポイント、4巡目:2ポイント、5巡目:1ポイントで各選手の獲得ポイントを集計。最終的に最も票を獲得した選手を、ベストイレブンとして発表した。
【参加者紹介】
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West Ham Tokyo(@eastendertokyo/ウェストハム・ユナイテッドFCファン)※ホスト
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鼻毛(@tokimekitactics/アーセナルFCファン)
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むら(@Tuanzebe_beat/アストン・ヴィラFCファン)
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BF( @bf_goodison/ エバートンFCファン)
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結城康平(@yuukikouhei/スペシャルゲスト)
それではさっそく、参加者各々のベストイレブンとその理由について見ていこう。
◇参加者ベストイレブン発表
・West Ham Tokyo イレブン
West Ham Tokyo(以下、東京):クラブの順位に対しての貢献度を、主観で選びました。3年前にもベストイレブン企画を行いましたが、その時の選手は2割程度しか残っていません。サイクルの早さを感じますね。選考について1巡目は簡単に出ました。ただ、4巡目、5巡目と行くにつれて「あの人も、この人も……」と悩ましい状況でした。
ピックフォードがいなければエバートンはもっと酷い順位になっていたと思いますし、サリバやパウ・トーレス、ライスもロドリもそうですよね。彼らがいなければこの成績はなかったはずです。
自分が応援するウェストハムは、終盤戦で負けが増えて順位が下がってしまいましたね。特別に挙げたい選手は、レフトバックの2巡目に選んだニューカッスルのダン・バーン。今シーズン、ほとんど負傷なく過ごせましたし、本職のCBを含めてマルチな活躍をしたと思います。あとは、ルートンのGKカミンスキーですね。ルートンからバークリーもアデバヨも入れたかったのですが、残留できていれば……というところでした。
・結城康平 イレブン
結城康平(以下、結城):私からは、明確な基準は設けていませんが悩んだ場合は特に印象強い選手を選出しました。GKはトッテナムのヴィカーリオ。アーセナルからは右SBとCBにベン・ホワイト&サリバ、もう1人のCBにはファン・ダイクをリバプールから選びました。ここでアケとファン・デ・フェンもかなり迷いましたが、ファン・ダイクに関しては昨シーズンからの復活もあり印象深かったですね。左SBは成長が著しいことを含めてグバルディオルです。ウドジェやアイ・ヌーリのポテンシャルの高さも感じましたね。
セントラルはシティとアーセナルから1枚ずつ。ライスとロドリは2巡目と差があったかな、と思います。今シーズンは選出しやすいポジションでしたね。右サイドはサカ、左サイドはフォーデン、この2人も比較的イージーに選べました。オリーセも悩んだのですが、順位も含めて考慮しました。サカの実績、フォーデンも充実した内容でしたね。
トップ下はウーデゴールとパーマーでかなり悩んだのですが、ゴール関連の数字をふまえてパーマーを選出しています。そして、ストライカーのところ。ハーランドが今シーズンもかなり得点は取っているのですが、チームに対するパフォーマンス、貢献度を考えワトキンス。さらにプレーの幅が広くてよりインパクトを残したのはマテタかな、というところで最終的に選出させていただきました。
東京:クリスタル・パレス勢がググッと挙がってきたのが印象的ですよね。マテタは驚きでした。
むら:最終盤のクリスタル・パレスの快進撃は凄まじかったですね。
東京:来季が怖い……
BF:あんなに前線の選手たちがハマってくるとワクワクしてしまいますよね。
・BF イレブン
BF:僕は1巡目、2巡目の選手たちにほとんど差がなくて非常に迷いましたね。迷った挙句、一向に決められないので、2,000分以上出場した選手たちを基準に選出しました。特に右のSBはポロとダロートで選ぶのに苦戦しましたね。攻撃参加がしっかりできて、ボールを運ぶこともつなぐこともできる。エバートンの右SBが不安定なので、良い選手に目がいきやすかったですね。
CBのサリバ、ブランスウェイトの2人は若くて今後もとても楽しみな選手です。中盤はロドリやライスを始め皆さんと近い選出かと思いますが、FWのところにはワトキンスではなくソランケを選びました。普段、ショーン・ダイチのフットボールを観ているので、ソランケが裏に抜けたりロングボールに反応するプレーを見ているとエバートンにいたら心強いな……と思いながら見ていました。
あと挙げておきたい選手は、1巡目からは漏れましたが、ソランケと同じボーンマスのCBザバルニですね。ウクライナ代表の21歳で、落ち着きもあってロングフィードも上手。起点としてイラオラのフットボールにハマっていたと感じましたね。
東京:終盤のクリスタル・パレスの勢いに陰りましたが、ボーンマスもどうかしてましたよね(笑)。
むら:相当良かったですね……
東京:どうかしてるクラブが10位以下でもウロウロしてるんですよね。
むら:試合後に順位表を確認すると二度見してしまいますからね、このクオリティでこの順位?って(笑)。
・鼻毛 イレブン
鼻毛:僕の選考の基準としては、まず「好き」であることと、「後半戦」にピークを持ってきているチーム。印象に残るチームは終盤で順位をググッと上げてきているイメージがあるんですよね。それが1巡目に反映されていると思います。
今回挙げておきたいのは、トップ下のギブス=ホワイトですね。みんな、若くてすごい選手といえばパーマーやフォーデンが来ると思いますし、ビッグクラブに照準が行くと思うんですが、以前から彼は同様の片鱗を見せてましたよね。消えてる試合がほとんどなかったと思うんですよ。守備もプレッシングも頑張るし、1位にしましたね。CBもかなり悩みました。実はバッシーを1位に持ってこようかとも考えてたんですよね(笑)。
BF:わかります。
東京:わかります。
鼻毛:あとは……そんなに尖った選手は選んでないと思うんですよね……。
東京:尖りまくりですよ(笑)!世界広しといえど、トップ下にギブス=ホワイトを選ぶのは鼻毛さんくらいですよ。でも、ノッティンガム・フォレストは加入してから伸びた選手が何人かいますよね。ハドソン=オドイなんかもそうだと思います。
・むら イレブン
むら:全体的に、開幕前の自分の期待値から跳ねた選手を選んでいます。皆さん、GKにマルティネスを選んでくださって嬉しいのですが、自分はペトロビッチが出てきた時のインパクトに押されちゃいましたね。ショットストップも良し、蹴れる、何より後ろからのリーダーシップを発揮するシーンを頻繁に目にして、彼をセカンドGKにしておくのは惜しいと感じましたね。
ギュストもそうですね。リース・ジェームスの壁をどうやって崩していくのかというところをしっかり越えてきましたし。ファン・ダイクは復活枠として、カムバック賞を捧げたいですね。パウ・トーレスに関しては対人守備に関して課題がある中での加入でしたが、だんだんシーズン終盤にかけて目に見える良化が見られました。ロビンソンはウィガン時代から好きなんですよね。器用な上に戦える、ソリッドな選手ですよね。フラムでもバシッとハマっていて嬉しかったですね。
セントラル、ロドリは守り神のような、いなきゃいけない存在。バークリーに関しては、ここまでハマるとは思わず驚きました。彼からボールが出ないと始まらない、アストン・ヴィラ再加入の話もあって来シーズン非常に楽しみにしています。
※新シーズンのCL参戦が決まったアストン・ヴィラFC。ロス・バークリーのカムバックが決定し、復活したシーズンを引き継ぐ大きな期待が寄せられる。
むら:サイドのサカとフォーデンはリーグレベルで選ばない手はないかなと思う一方で、ボーウェン&ゴードンはインパクトとして1位に挙げたいところだったんですけどね。
トップ下のパーマーは開幕前時点で、これまでほとんど見たことがありませんでしたけど、ここまでチェルシーを引っ張れるのかと衝撃でしたね。ストライカーは今シーズン19得点とってくれたワトキンスを選びました。
東京:バークリー復活はグッと来ますよね。ここまでやれるとは……
むら:エバートンの頃よりさらに配球面などで磨きがかかっていて、ベテランの仕事ぶりを感じましたね。
東京:ルートンが残留するにはカミンスキー、ロッキャー、バークリー、アデバヨがリタイアしないことが前提だと考えていました。うち2人が離脱してしまったので駄目でしたが、バークリーは最後まで踏ん張れましたよね。
◇それぞれのベストイレブン発表を受けて
5名の集計結果から選出された、2023/24シーズンのベストイレブン
東京:さて、皆さんのベストイレブンが出そろいました。ロドリとフォーデンは満点を獲得。5人とも一巡目に挙げていましたね。4人が1巡目に票を入れたのはウーデゴールとサカでした。ここで、結城さん。それぞれの発表をご覧になっていかがでしょうか?
結城:皆さんやはりよく見られていて、なかなか渋い名前も出ていて良いなあ、と思いながら聞かせていただきました。
東京:結城さんも挙げられていたウルブスのアイ・ヌーリ、彼は左のウイングかフルバックかで迷いました。2シャドーの一角に入ることもありました。
結城:ポジションを悩む選手はいましたよね。グバルディオルなんかもそうでしたね。
東京:適正ポジションがなく、マンチェスター・シティの選手は表が割れているか、ランク外の選手が多いんですよね。ベルナウド・シウバにほとんど票が入ってないんです。彼がいなかったら優勝戦線は厳しかったはずなのに不思議なランキングですよね。
鼻毛:僕、実はベルナウドはあえて外しました。もういいかな……と思って(笑)。
BF&むら:殿堂入り(笑)?
結城:どのポジションに入れたらいいか分からなかったのもありますよね。トップ下といわれると、うーんと考えましたし……。ただ、まったく触れないのもと思って4位に選出しましたね。
東京:システムによって固定されない、最小人数のユニットで勝負。そんな印象を受けたシーズンでもありましたよね。
◇監督
東京:良かった監督の上位5名も皆さんに決めていただきました。私は監督についても順位の貢献度に対して考えてみました。まずエメリ。1年任せたらこうなるよ、というのがしっかり形になりましたよね。なんでアーセナルでは上手くいかなかったんだろう……(笑)。
むら:やはり、エメリは自分のスタイルに近い選手がとても大事なんだなと実感しましたね。パウ・トーレス然り。
東京:モンチSDのオーダーで獲った選手はそんなに実は多くないですよね。夏の途中からでしたよね。
むら:そうですね、現有戦力にスパイスを加えて、という感じでしたね。次の夏は多くの名前が出てくると思います。
東京:ファイナンシャル・ルールとの戦いになりますよね。
2番手には「つまらない選択だなあ」と思いながらグアルディオラを選びました(笑)。CBを4人並べるという狂気の沙汰を1年中通して完遂してしまいました。素晴らしい人選でしたね。
3位はイラオラ、開幕9試合勝ちなしで大丈夫かい?となりましたが、大丈夫だったシーズンでしたね。4位はポステコグルー。彼に入れたのは僕だけでした。あの状態だったスパーズ、スーパー大黒柱がドイツに行っちゃった状態でよくぞここまで来たと思います。5位はダイチ。この人じゃなかったらエバートンはどうだったかな。
あと、ランク外で挙げておきたいのはオリバー・グラスナー。「英国グラスナー被害者の会」会員No.1はウェストハムだと思っているので(笑)。ヨーロッパリーグ(ウェストハムは2022年にアイントラハト・フランクフルト時代のグラスナーと対戦)では堪忍してよ……という気持ちでした。クリスタル・パレスの選手たちの特性を理解して落とし込みましたね。ただ、リーグを半周しかしていないので、ランク外の保留という形にさせていただきました。
13 fellow countrymen have played in the competition before him, can you name them all? 🤔
※グラスナー率いるクリスタル・パレスFCは、アイントラハト・フランクフルト時代の監督の教え子でもある鎌田大地をフリー・トランスファーで獲得。新たな日本人選手の参戦で、大きな注目が集まるシーズンになりそうだ。
結城:今いただいた流れでいくと、僕はグラスナーを1位にさせていただきましたが……(笑)。
プレミアリーグでこれまで注目されていなかった監督たちが結果を残したということで、グラスナーとイラオラを上位にしています。
グラスナーはインパクトが大きく、イラオラもそうですが、やり方含めて面白いサッカーでした。そこにエメリを加えましたが、アーセナルを破った対戦は特にベストゲームと思いつつ、オートマティズムで仕込まれた崩し、あそこまで磨かれると美しいなと。ワトキンスが落ちてからの3人目の動きなど、魅力的なサッカーをしていたと感じます。
4位、5位にはグアルディオラ、アルテタの上位争いを演じた監督を選びました。両者はどちらかといえば守備的、CBを並べながらなんとか対策を練る、カウンターを防ごう、というスタイルでした。2人とも攻撃を躊躇せざる得ないくらい、カウンターを含めて下位から中位のチームでも攻撃力が高くなってきたのを印象強く記憶したシーズンだったと思います。
東京:エメリはアーセナルにシーズン・ダブルを達成して、結局アーセナルは優勝に届かなかった。
むら:エメリのアーセナルに対する執念を感じましたね。ウーデゴールを孤立させることに命をかけた男……すごかったですね。
鼻毛:何もさせてもらえなかったですからね。
むら:アルテタはタダじゃ終わらないですからね。
BF:復讐が……(経験済み)
東京:結城さん、アルテタなんですが22/23シーズンと23/24シーズンで何か変わったと感じるところはありますか?
結城:前線からのプレッシングのかけ方はかなり変わりましたよね。ハフェルツを真ん中で使うようになったこともありきで、GKにかけるプレッシングは特に変わった印象がありました。
セットの位置が下がり目になったり、ポジションの流動性が出てきてGKに対するプレスも味方に行かせるような動きも、ウーデゴール主導だけではなく増えてきて良くなったと感じました。
東京:アーセナルはハフェルツが前線にポジションを移してから勢いが本格化しましたよね。最初はもう一列後ろで中盤で起用されていましたがなかなか上手くいかず。
むら:初めはジャカの役割を任せようとしているように見えましたけど、ジャカのスタイルはジャカにしかできなかったんだなと思いました。
鼻毛:僕も皆さんとそこまで大きく変わりませんが、グラスナーを1位にしようとは考えていたんですよね。周りの対戦相手が対策を立てる前に走りきれた、という面もあるのかなと。
クロップにはリスペクトの意味も込めて。若手も起用してクアンザー、ブラッドリーもそうですけど、次の新監督スロットに遺産は残したと思います。それぞれのクラブで「この監督はダメだった」という人があまりいなかったシーズンだと思うんですよね。いずれも瞬間最大風速みたいなタイミングもありましたし。各チームに面白い時期があって、残留出来ていたらルートンのエドワーズは5位には選出していたと思います。
むら:ルートンはCBの離脱が目まぐるしく起きていたのが苦しかったですね。本職CBがいない時期もありましたし。そんな中でも攻めることは忘れず、喰らっても喰らっても立ち上がる、見ていて気持ちの良いチームでしたし、応援したくなるチームでしたね。
BF:エメリやイラオラ、アルテタの話が出ましたが、僕も彼らを上位に選んでいます。その後にダイチになってくるわけですが、正直サッカーの内容としてバーンリーの頃と大きくやり方は変わっていないと思います。
ただ、ディフェンスラインの強さやセットプレーをこの1年半で鍛え上げてくれて、思ったより早く残留を決めました。クラブの外に問題がある中で、よく最後まで引っ張ってくれたな、と思っています。エメリやイラオラに関しては試合を見て楽しませてもらった意味で選出しましたが、ダイチに関してはチームの戦うモチベーションをつないでくれた、という想いを込めて選びましたね。
むら:ダイチがエバートンに就任した時、「これで高級バーンリーじゃん!」って話をしていたんですよ。そんなナメたことを言っている場合じゃなかったですね。
BF:エバートンのファン界隈でも「ジェネリック・バーンリー」というフレーズが生まれましたね(笑)。
むら:ブランスウェイトが出てきた時は「若いベン・ミーじゃん!」となりましたね、ターコウスキーと組んで、サイズもあって機動力もあって、今シーズンのエバートン、ダイチはすごいなと思って見ていました。
無いとは思うんですけど、彼のイングランド代表も見てみたいですね……。もし、現大将がユーロ2024を最後に勇退するような流れになったら、エバトニアンには申し訳ないですけど(笑)。それくらい彼には期待してしまいました。
東京:皆さんがほとんど同じ監督に投票した中ではありますが、マンチェスター・ユナイテッドのテン・ハフについては、結城さんはどうご覧になられましたか?
結城:怪我人が多かったですよね。苦しいシーズンになったのは間違いないですけど、メイヌーの台頭はテン・ハフを起用した意味があったのかなと思います。ダロトがすごく成長したのも良かったですね。
気になったのはネガティブ・トランジションの設計が苦手で、カウンターを受けた瞬間の無防備さがこのままいってしまうと結果が出ないよな、と感じました。切るかといわれると、もう1年くらい見たいところはあるので、悩ましいですね。
東京:ありがとうございます。メイヌーの名前が出ましたが、続いては今シーズン輝いた若い選手たちのお話もしていきましょう。
◇ブライテスト・ホープ
東京:僕はメイヌーとブランスウェイトの2名を挙げました。メイヌーは「ストックポートのセードルフ」と例えられていましたが、言い得て妙ですよね。ストックポートなので地元出身、なんでこんなにいっぱい出てくるんですかね、フォーデンもここの出身でしたね。
結城:そうですよね、フォーデンは「ストックポートのイニエスタ」って呼ばれ方でしたかね。
東京:どんな街だよ!って驚きでした。そして、ブランスウェイト。左利きのCBでイングランド国籍、このタイプがは相当遡らないと出てこないと思います。00年代、90年代でもいたかなあ……。
番外編になりますが、プレミアリーグではなくリーズ・ユナイテッドの選手、アーチー・グレイ。この選手は底が知れない18歳のプレーヤーです。ぜひ覚えておいてほしいですね。
Welcome to Tottenham Hotspur, Archie! 🤍
結城:メイヌーは皆さん出てくる名前かなと思いつつ、ブランスウェイトのことをすっかり忘れていましたが……そういう意味でも選んで良かったかな、と思う一人を。僕の完全な趣味になりますがボーンマスのケルケズを選びました。気の強さやプレーに対する積極性、一直線なプレーを選択するとこが好きですね。もっとポテンシャルを発揮できる、伸びしろがある選手ですね。色んなチームをユース時代から渡り歩いていますが、まだ20歳ながら経験を多く積んでいて期待を込めました。
東京:オランダのAZアルクマールで菅原とチームメイトでしたね。あの時のAZは良いチームでした。
BF:僕も同じくメイヌーを入れました。しっかりユナイテッド戦で活躍されてしまいボコボコにされましたね。
もう一人はクリスタル・パレスのウォートンですね。冬から加入してきて、僕はチャンピオンシップの選手を全然知らないわけですが、なんて選手を送り込んでくれたんだ!という気持ちですね。彼のプレーを、エバートンに所属していたトム・デイビスがこんな風に輝いていたら嬉しかったな……という眼差しで観戦していましたね。
東京:イングランド代表にも選ばれましたからね。おおーっとなりました。
鼻毛:僕もウォートンを選出しましたが、もう一人は意外と選ばれていなかったアレックス・スコット。もっと来季怖い存在になれると思っていて。敵としては実力を発揮してほしくない2名を選んだ形ですね。
BF:スコットは全然悪いシーズンじゃなかったですよね。
東京:戻ってきてから良かったですよね!ベリンガム(レアル・マドリード)もそうですけど、今のポジションじゃなくて元々は一列下でプレーしてましたよね。先ほど挙げたグレイもそう。なんでこのポジションはこんなにたくさんいるのか!ってくらいイングランドは層が厚いですよね。ライスは大丈夫かなって(笑)。
むら:自分もメイヌーとウォートンを選出したので3番手に考えていた選手をお話ししたいと思います。今シーズンはどのチームも若手が出てきて面白いなと思っていたのですが……ブライトンのブオナノッテですね。チームの不調に引きずられてしまいましたが、センスの高さを感じました。ワイドの位置で起用されていることが多かった印象ですが、真ん中でも全然やれるんじゃないかと思いつつ、ブエンディアのような雰囲気、IQが高くなればもっと怖い選手になれると思っています。
もう1人ご紹介させていただくとニューカッスルのマイリ―。本当にあなたティーンエイジャー?ってところにパスを刺し続ける、未成年が出しちゃいけないようなパスを出すんですよね。
東京:おっさんクサいパスを出しますよね(笑)。
むら:こういうボランチが増えるのは嬉しいですよね。まさにウォートンが筆頭ですが。
◇ガッカリ補強
※大当たり補強はスペースの進行上、時間の都合もあり、あまり触れない形となりました
東京:ここまで楽しいお話を続けてきましたが、次は「なんだよ……」というテーマです。まずはカルヴィン・フィリップス。モイーズが退任する理由の一つとして、フィリップスを外したことがあるんですよね。
シュタイテン(現ダイレクター)は具体的にいうとASモナコのフォファナを連れてこようとしていたのですが、ドライローンでフィリップスを獲りました。来季はどうなるか分かりませんけど、かなり苦しいキャリアになっているのかな、という状況ですね。エンクンクも入れましたが総じて故障で期待値に届かなかった印象です。
結城:チェルシー組のエンクンクとラヴィアについては、怪我でいなかった時間が多く、どちらかというと彼らが残念というよりはメディカルと補強部門がちょっと良くなかったかな……という失敗に感じられる一方で、ブライトンのダフードはただただ残念だったかなと。能力も高く期待されていて、年齢も含めて即戦力だったので。
東京:チェルシーはメディカル・スタッフの管理に問題があったのかなあ……試合中だけでなくトレーニング中の負傷も少なくなかったですね。
結城:これだけ期待したメンバーが出場できなかったのは大きかったのかな、と思いますね。その中で本当にパーマーが頑張ってくれましたね。
BF:僕もエンクンクは挙げましたが、トナーリ(ニューカッスル・ユナイテッドFC)も入れましたね。あまり触れない方が良かったかな……。
東京:いえいえ、パケタ(ウェストハム・ユナイテッドFC)もそうならないといいな……と。
BF:パケタやアイヴァン・トニー(ブレントフォードFC)もそうですが、フットボーラーに関わる賭博疑惑を見かけるようになってきてしまって、彼らがピッチにいると面白いので、残念だったな……という意味で票を入れました。
鼻毛:僕はマテウス・ヌネス(マンチェスター・シティFC)はどうだったんだろうと思っていまして、あんまり出場してなかったですよね。ロドリの負担を軽減するための補強だったのかな、と思いつつ結局ロドリが出てなんぼや、というところもあって。あとはタバレスに関してはフォレストさんごめんなさいという意味で(笑)。
BF:ヌネスは確認してみたらリーグ戦800分台の出場時間でしたね。
結城:ヌネスはサイドや一列前で出場してましたね。中盤の底では厳しいと判断されてしまったのか、前のポジションでエリア内へ走る作業を繰り返していたりとか……。
東京:要求値を満たせなかった、という感じかもしれませんね。
むら:僕は1人はアムラバト(マンチェスター・ユナイテッドFC)、個人的にはザニオーロですね。ローマ時代を見ていたのですごく期待値は高かったのですが、イタリア人がプレミアリーグで活躍するのは難しいのかと改めて感じました。クセが強すぎてうまく使いこなせる監督は少ないのかな、という印象でした。来シーズンどこへ行くか分かりませんが、頑張ってほしいですね。
◇ここまで出てこなかった選手
東京:では、皆さん。ここまでで出てこなかった名前、出しておきたい印象的な選手はいますでしょうか?
鼻毛:意外だったのが、マッギン(アストン・ヴィラFC)の票が伸びてこなかったところですかね。
東京:そうですね、今年はおかしいんです。ソボスライ(リバプールFC)なんて4点しか入ってませんよ。
むら:中盤はどこもかしこも良い選手ばかりで目移りしましたもんね。
BF:激戦区でしたよね。
東京:集計で、マッギン4点、バークリー9点っていうのもこのメンバーらしいんですけどね。(笑)
むら:縁の下の力持ちタイプに票が入りきらないのは世の常ですかね……。今シーズンのマッギンは本当にスーパーでした。エメリが来てから、セントラルからワイドがメインのポジションになって、一番サイドハーフっぽくないサイドハーフだったと思います。
昨シーズンは一時期ポジションを失ったんですけれど、彼は一度や二度では折れない不屈の男ですね。結果的に中盤のどこでもこなせる、欠かせない選手になりました。
鼻毛:BFさんが選んでいたグスタボ・ハマー(シェフィールド・ユナイテッドFC)も気になりましたね。彼は迷いましたよね。
BF:なんとか残したくて入れちゃいました。彼、上背はないんですけど当たり負けせずに相手を突き飛ばしますし、ボールも捌ける。結果で数字も残していますから、シェフ・ユナイテッドは降格してしまいますが、どこかのチームは獲りに行くんじゃないかと思います。
むら:文字通り孤軍奮闘でしたね。ガンガンゴール前に入っていくのが良いですよね。
東京:そういえば、ここまであまり出てこなかった名前としてお聞きしたいのがハーランド(マンチェスター・シティFC)ですが……。結城さん、昨シーズンに比べて今シーズンのハーランドについてはどうご覧になられましたか?
結城:数字上のインパクトもですが、期待値が高まりすぎてしまったかな、というのはあります。勝負所でゴールを決めた印象はそこまで強くなく、大事な試合だとうまく行かなくてシュートを外してしまったり。ものすごく良い選手であることは間違いないんですけれど、ワトキンスやマテタのような、チームに欠かせないFWではなくなっていた時期もあって……。
もしかしたらアルバレス(マンチェスター・シティFC)が真ん中にいたほうが、チーム全体として良い時間帯やタイミングもあったんじゃないかと感じますね。
BF:確かに……そういえばアルバレスを選んでいなかったなあ……。
結城:アルバレスはポジションが謎なところもありましたね。どこに入れたらいいのか。
むら:10番なのか9番なのか……
結城:それこそ、エバートンで欠かせなかったドゥクレやオナナといったフィジカル軍団も票が入っていませんでしたが、だいぶ貢献度は高かったですよね。
BF:そうですね!あのスタイルには欠かせない選手たちでしたね。
むら:個人的にはオナナは昨シーズンのほうがインパクトがすごかった気もします。
BF:ゲイェが終盤戦で頑張ってくれて、その分オナナがファースト・チョイスになれなかったところはありましたね。
結城:僕はムリージョ(ノッティンガム・フォレストFC)良かったなと思うんですよね。バッシー(フラムFC)とかも、もっと票が伸びるかと思っていました。CBも競争が激しいですね。
むら:若い左利きのCBも増えましたよね。時代のニーズに合った選手が出てきて、スピードもあるし体格もあるし、一体何ができないんだ?と面白い選手が増えましたよね。
東京:全然出てなかった名前がどんどん出てくる(笑)。
むら:これはたぶん、もう1回集計したら皆さん全然違う順位になりますね(笑)。
東京:明日もう一度やったら変わってると思いますよ(笑)。
東京:それでは、そろそろ終了時刻が迫ってきたので、最後にお話しを少し。EFLチャンピオンシップについてです。
東京:チャンピオンシップとの差が直近10年くらいで1番拡大したのが、23/24シーズンだったのではないか?ということです。
1番接近していたのはボーウェンやエゼがプレミアリーグに合流した3~4年前くらいだったかなと。リーズがビエルサとともにグッと上がってきたシーズンあたりですね。あの頃は1番近かったと思います。ファイナンシャル・ルールなどが、もう少し昇格組に優しい体制でないと、残っているクラブの既得権益が強すぎると感じてしまいますね。レスターやイプスウィッチは監督が引き抜かれそうな話もありますし。
むら:マッケンナ(イプスウィッチ・タウンFC)が引き抜かれるようなことになると、相当キツイですよね……。
東京:札束パンチも良い加減にしておかないと……とは思ってしまいますよね。皆さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
※22年ぶりにプレミアリーグへ復帰したイプスウィッチ・タウンFC。指揮官のキーラン・マッケンナは引き抜きなどが噂されたものの、無事に長期契約を締結。一方、レスター・シティFCのエンツォ・マレスカはチェルシーFCへ。後釜にはスティーブ・クーパーが就任した。
#WelcomeEnzo
◇終わりに
今回の座談会では、話が弾んであれこれ脱線しつつも、忘れかけていた話題を思い出し、お互いに疑問だった部分を解決し合い、忘年会さながら1年の戦いの振り返り話に花を咲かせることができた(ボリュームの関係上、いくつかのお話を割愛させていただいた)。
3年前にも実施したプレミアリーグ・ベストイレブン企画。その時に名が挙がった面々から大幅に選手が入れ替わるサイクルの早さ、若い選手の台頭やベテランの復活。数年前のインパクトから苦戦している選手から返り咲きそうな選手まで、色々な変化を感じる機会となった。今回は限られた人数での選考となったものの、様々な視点から23/24シーズンのプレミアリーグを振り返ることができた。
来たる24/25シーズンのプレミアリーグでは、熾烈な残留&昇格争いを経て新たに参戦する3チームに加え、サッカーファンにとってはユーロ2024、コパ・アメリカ、パリ・オリンピックといった国際大会開催後の熱が冷めやらぬまま激しいシーズンを迎えそうだ。すでに複数クラブで新監督招聘の動きと大型移籍も実現および噂されるなど、移籍市場も活発化している。
また1年後もプレミアリーグファンによる座談会が開けることを願い、開幕までの休息期間を楽しもうと思う。
(スペースにてご清聴いただいたリスナーの皆さま、開催にあたって企画・準備をして下さったウェストハム東京さまおよび参加者のみなさま、誠にありがとうございました!またお会いしましょう!)
文:BF(@bf_goodison)
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