華やかなだけじゃない!?サッカークラブの広報~福山シティFC広報 小林氏インタビュー~
こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第48回は、サッカークラブの広報のお仕事についてのインタビューをお届けします。華やかに見える仕事の裏側とは?サッカークラブで働きたい方は特に必見の記事となっております。ぜひお楽しみください!
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◇プロフィール紹介
福山シティFC広報 小林彩海氏
Twitter:@sami_kobayashi
福山シティFC
◇サッカークラブで働こうと思ったきっかけ
山中:小林さん、本日はよろしくお願いします!社会人としてのキャリアの第1歩目にサッカークラブの広報という選択をした小林さんですが、サッカークラブで働きたいという思いはずっとあったんでしょうか?
小林:実は、もともとそこまでサッカーが好きというわけではなかったんです。兄がずっとサッカーをやっていたのでその姿を見たり、地元が愛知なので名古屋グランパスの試合を家族に連れられて観に行ったりということはありました。ですが、その程度ですね。むしろ、自分は学生時代はバスケットボール一筋でした。
ただ、高校時代に英語が好きで、2カ国語以上を操る人への憧れがありました。なので、なんとか自分が好きな英語とスポーツ、その両方に関われる仕事がしたい。そういう風に思っていましたね。最初は、漠然と通訳などはどうだろう?と考えていました。
そんな時に、名古屋グランパスで外国人選手の生活面全般をサポートしている女性に出会いました。それで、「こんな仕事があるんだ、私も彼女のような仕事がしたい」とより強く思うようになったんです。
◇福山シティFCを選んだ決め手
山中:なるほど。もともとは英語 × スポーツという軸で仕事を考える中で、サッカークラブで働く人と触れ合ううちにそちらに魅力を感じるようになったということですね。
サッカークラブといっても色々候補はあったと思うのですが、その中でも社会人リーグのクラブである福山シティFCを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
小林:学生時代、Jリーグのクラブ含めて幾つかのクラブのインターンに参加させていただきました。やはり、ある程度規模の大きなクラブは分業がしっかりしている印象を受けましたね。例えば広報なら広報、営業は営業、といった風に各業務の境界がはっきりしていました。
一方、福山シティFCでは各ポジションの方それぞれの裁量が大きいな、と感じました。さらに、1週間のインターンの間、インターン生の私にも様々な仕事を任せてもらえました。
このインターンは非常に良い経験になりましたし、自分が貢献できることが福山シティFCにたくさんありそうだ、と感じたのが1番の決め手でした。
◇広報の仕事
山中:そのあたりはやはり成長途上のクラブならでは、といったところでしょうか。小林さんは昨年の4月から福山シティFCで働かれているということで、そろそろ丸1年が経つかと思います。実際にクラブで働いてみて、感想はいかがですか?
小林:正直に言うと、想像していた以上に忙しかったです(笑)。
試合の日は特に多忙ですね。写真や動画の撮影から各媒体へのアップロードなど、とにかくたくさんの仕事があります。
一般企業もそうかもしれませんが、広報というポジションはメディアやSNSなどに関わる機会も多く、花形部署に見られやすいかと思います。でも、実際サッカークラブの広報はキラキラした仕事だけではなく、物凄く泥臭い部分も多いと感じます。
その一方で、もちろん楽しい仕事も多いです。広報は毎日ひたむきにサッカーと向き合う選手たちと1番近くで接することが出来るポジションでもあるので、彼らのそういった姿を見られるのは毎日の活力になりますね。
広報としては選手の真面目な姿勢など、競技以外の内面的な部分も皆さんにどんどん伝えていきたいな、と考えています。やっぱり、選手への親しみやすさはクラブを応援したい、という気持ちにも繋がると思いますから。
そういう思いもあり、選手たちにはインタビューなどの際に台本を用意したり答えを誘導するのではなく、「きちんと発信の目的を伝えたうえで自分の言葉で話してもらうようにする」という点を意識しています。
山中:確かにそういった意味では、イングランドのクラブも選手の内面やプライベートに焦点を当てた動画などが、最近かなり増えている印象です。
◇サッカークラブで働いてみたい人へ
山中:若くして既にサッカークラブでのキャリアを歩み始める小林さんですが、今後サッカークラブで働きたいと思っている方に向けたアドバイスなど何かありますか?例えば、学生時代に学んで役立ったこと、逆にもっとやっておけばよかったと思ったことなど。
小林:学生時代の勉強で言うと、数学ですかね。これは広報に限らず全部署に共通して言えることだと思うのですが、基本的にある程度の数字を読み解く力は必須となります。例えば、SNSでも「インプレッション数」や「エンゲージメント率」といった概念や様々なデータの持つ意味を理解できないといけません。現状を把握し、そこからフォロワー数の目標を立てることなども必要です。
基本的に仕事の成果はほとんどが数字で判断されるので、これらがわからないと非常に困りますね。私は学生時代は文系で数学は苦手だったので、最初慣れないうちは少し苦労しました。
他には、学生さんであれば在学中にできるだけインターンに参加して、現場を知っておくことをおすすめします。私も幾つか行ったのですが、もっと時間の許す限りたくさん行っておいても良かったかもしれない、と思っています。
サッカー業界と一口に言っても、クラブの規模や地域によってカラーも異なります。なので、インターンを通してそれらを知ることは良い経験になりますね。もちろん、普段の業務のイメージも掴めます。
また、必ずしもサッカークラブでなくても良いと思います。フットサルやバスケットボールクラブなど他競技でのインターンも、スポーツ業界について知るという意味で貴重な経験になりますから。
私自身、インターン時代に得た経験で現在の仕事に活かせていることも多いです。
山中:なるほど。やはり実際に現場を知るのが大事、ということですね。ちなみに、もうすぐ福山シティFCでの2年目を迎えるにあたって、小林さんが今後挑戦したいことなどはありますか?
小林:挑戦というほどではないのですが、現在私は広報と同時にファンクラブも担当していて、ファンクラブだからこそできるようなイベントも増やしていければと考えています。もちろんグッズも良いのですが、思い出作りというか、体験に軸を置いた企画もいつか行っていきたいですね。そうやって、ファンの皆様にもっと素敵な経験を提供できればと思っています。
山中:それは楽しそうですね!本日は貴重なお話をありがとうございました。
インタビュー・文:山中拓磨(@gern3137)
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