ICI, C’EST PARIS!! パリ・サンジェルマン スタジアムツアー体験記
こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第43回は、フランスを代表する強豪クラブのスタジアムツアーの様子をお届けします。たくさんの写真と併せてお楽しみください!
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ディ アハト読者の皆さま、こんにちは。ドイツの大学院でデータ分析を研究している白戸と申します。今回は私が参加した、パリ・サンジェルマン(以下PSG)の本拠地パルク・デ・プランスでのスタジアムツアーの模様を、記事にてお届けします。
ピッチレベルから見える景色、世界屈指の収入を得るクラブのビジネスの舞台を覗き見て来ましたので、パリの周辺情報や写真と併せてお楽しみいただければ幸いです。
※パルク・デ・プランスはスタッド・ド・フランスと混同されがちですが、後者はサッカーフランス代表やラグビートップ14のスタッド・フランセ・パリの本拠地です。パリ「北側」の郊外にありパルク・デ・プランスからはかなり遠いので、観戦に行く際はご注意ください!
◇「華の都」のサッカークラブ
PSGの本拠地パルク・デ・プランス。パリを囲む環状道路のすぐそばに位置するものの、セーヌ川やブローニュの森といった癒される景色を望める場所ということもあり、都会の喧騒を感じさせません。
Google Mapより(筆者編集)
近くには全仏オープンの会場スタッド・ローラン・ギャロスをはじめとする様々な競技会場が集まります。さしずめ、パリの神宮外苑と言っても差し支えないでしょう。
せっかくパリまで来たので、スタジアム周辺を散策してみます。こちらの写真は、突如現れた巨大な黄金の親指。隣にはプラネタリウムのような形をした劇場もあり、パリの豊かな芸術性にあちこちで触れられます。
パリ散歩を楽しんでいると、突如現れたのがお目当てのスタジアムであるパルク・デ・プランス。川崎の等々力競技場、浦和の駒場スタジアム、柏の日立台など、市街地を歩いているとひょっこり顔を出すスタジアムが私は好きなのですが、パルク・デ・プランスはその系譜にありながらもスケールの違いを感じさせます。
「住んでるだけで芸術的センスが付きそうな街」パリで、サッカーファンの美的欲求に応えるのはクラブレジェンドたちのストリートアート。レオナルド、ロナウジーニョ、パウレタ、イブラヒモビッチなどPSGの歴史を紡いできた面々がスタジアムツアーの入り口まで導いてくれます。
◇いざ、スタジアムツアー
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でガイド付きのツアーは実施されておらず、フリーガイドのチケットでスタジアムツアーを開始。普段は選手やVIPが歩いている場所を、セレブ気分で歩くことができます。
メイン側にある入り口から入ると、クラブの偉業を自ら讃えるトロフィーの数々が出迎えてくれます。
PSGのオーナーになった気分で、選手が普段いるような場所を闊歩しながらクラブの歴史を学んだ後は、エスカレーターでぐんぐんと上階へ。スタジアムツアー最初の目的地に近づいているようで、私の期待もエレベーターと共に高まります。
ICI, C’EST PARIS !!(ここがパリだ !!)
正面に待ち構えるのは、言わずと知れたパリのシンボル、エッフェル塔。PSGのロゴでは「自由・平等・博愛」を意味するフランス国旗と同じ青白赤であしらわれていて、これぞフランス、これぞパリと言わんばかりの存在感。
メインスタンドからの美しい線対称は、エッフェル塔からの眺めを彷彿とさせます。
上:メインスタンドから見るスタジアム 下:エッフェル塔からの眺め
この景色をゆっくり満喫しようと足元に目を向けると、そこにはシックな革張りの座席がズラリ。
そして、1席に1台のタッチスクリーン。試合中はこれを使ってメンバーなどの試合情報をチェックできます。
いつの日か満員のスタジアムをここから観てみたいという思いを胸に、夢舞台のバックステージへと戻りました。
◇バックステージはメインステージ?
「——― 今日はPSGの試合があります。あなたは念願叶ってUEFAチャンピオンズリーグの試合を、パルク・デ・プランスで観戦中」
観客がピッチでの出来事に釘付けになっている間、スタンドの裏側に用意されているもう1つの舞台をご存知ですか?スタジアムツアーの次なる行き先は、スポンサー企業や政府の役人などお偉方が一堂に会するVIPエリアです。
スポンサーごとに謹製の看板と部屋が用意されているのが、PSGクオリティ。商談などピッチ外での「事件」が起こるためには、絶好のお膳立てといえます。
世界一お金が動いているマクドナルド(たぶん)もあります。
世界的なスポンサーが名を連ねる通路、その終点に佇むのがSALON REPUBLIQUE(サロン・リパブリック)。国際マッチなど、重要な試合を観戦する政府関係者が利用するんだとか。なお、この部屋は公開されておらず、中の様子を覗くことはできませんでした。
きっと会議室の中で「事件」が起きていること間違いなし……
◇別次元のピッチレベルへ
VIPエリアを過ぎると、ツアーの焦点はビジネスから競技サイドへ移っていきます。まずは、記者会見場へ。といっても、ここが使われるのはUEFAチャンピオンズリーグの試合前日会見の時だけだそうです。
ちなみに近年は、スター選手の増加により記者が殺到するようになり、この部屋の中継をするための別の部屋もあるんだとか。
そしてやってきた大きなロッカールーム。いよいよピッチに近づいてきました。
あの選手たちのユニフォームも
注目すべきは、ロッカールームの真横にあるトレーニング場と医務室。以前はロッカールームから遠い位置にあり、治療のために選手は長い距離を歩かなければいけませんでした。その状況に耐えかねたのが、かのスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチ。2016年のスタジアム一部改修の際に「勅令」を出し、見事にこの便利なロッカールームが完成したのです。
すっかり気分はハビエル・パストーレ(2011-2018年在籍)。さて、選手気分をすっかり味わったところで、いよいよ2度目のピッチとのご対面です。
ピッチレベルからの景色はこれまた格別。パリの青空の下、ピッチを駆け抜け、勝利の歌を仲間とともに響かせることができたら、どんなに最高な気分になれるのでしょうか。
現代のサッカー場らしく、ファンの笑顔を自動追尾してくれそうなカメラも発見
来たるときに向けて養生中のフォトジェニックなピッチさん
最後に、入場ゲートと一緒にパシャリ。スタジアムツアー用にこしらえたゲートかと思いきや、リーグ・アンの試合で使うちゃんとしたゲートだったみたいです(2021年10月のアンジェ戦に向けたゲートとのこと)。
監督席に座って写真を撮ってもらおうと思ったところで、スタジアムの閉場時間になってしまい退場することに。楽しみすぎてすっかり時間を忘れていました。
◇おわりに~サッカークラブが持つ歴史~
出口付近のシアターで上映されていたクラブヒストリーでは「新・銀河系軍団」になる前の映像がたくさん。懐かしさを感じると同時に「もうあの時のようなクラブに戻ることはないのだろうな」と、謎の郷愁感(往年のPSGファンでもないのに)に包まれました。
当時の熱狂を楽しむことができたファンサポーターへの羨ましさはありますが、同じ時代を生き、目の前でサッカー史に歴史を刻もうとする選手・クラブの活躍を楽しみたい。そう強く思いました。
何といっても、サッカークラブの今を理解するには、クラブの歩んだ歴史を知ることは効果的です。皆さまも好きなクラブのスタジアムツアーに参加する機会があれば、ぜひ行ってみてください。きっと、情報だけでは得られなかった発見がそこにあるはずです。
以上、パリにあるパルク・デ・プランスのスタジアムツアーを紹介しました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文・写真:白戸豪大(@gota_44)
ディ アハト第43回「ICI, C’EST PARIS !! パリ・サンジェルマン スタジアムツアー体験記」、お楽しみいただけましたか?
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ディ アハト編集部
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