攻劇の目 先週の気になるジャッジ#1
こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第44回は、先週行われた様々な試合の中から注目のジャッジを解説するシリーズ記事をお届けします。ぜひお楽しみください!
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今回から始まったこの企画「攻劇の目」シリーズでは、Twitterを中心に様々なレフェリングの解説を行っている攻劇(@kogekidogso)が、前週に世界中の試合で起きた判定についての解説と見解を述べていく。
各事象の該当シーンの動画リンクも掲載しているので、ぜひ文章とともにじっくりご覧いただきたい。
1.FAカップ4回戦 マンチェスター・ユナイテッド vs ミドルズブラ(2月4日)
事象:ミドルズブラ18番の左腕に当たった後に、ミドルズブラ25番がゴールネットを揺らす。主審はゴールと判定し、VARもその判定をサポートした。
見解:一見するとファウル判定のようだが、競技規則では意図的にプレーしたボールが偶発的にその選手の手や腕に当たってもノーファウルと規定している。また、直後に得点が生まれても、本人が得点していなければアタッキングハンドボール(攻撃側の強制ハンド)は適用されない。
競技規則上は問題ない判定だが、仮に主審が手に当たったことを見逃していた場合、おそらくVARはレビューを勧めたと思われる。
なお、本事象の詳細やルールの背景については、以下リンクの筆者のnoteにて詳しく記した。ぜひ、本記事と併せて目を通していただければ幸いだ。
2.ラ・リーガ第23節 バルセロナ vs アトレティコ・マドリード(2月6日)
事象:アトレティコ・マドリードがオフサイドの反則を取られるが、プレーが切れた後の接触に関してオンフィールドレビューが行われる。その結果、バルセロナの8番にレッドカードが示された。
見解:VARの正しい介入で、正しいレッドカード。オフサイドの笛によってプレーが切れた後だが、決定的な得点機会阻止(DOGSO)によるレッドカードと大きなチャンス阻止(SPA)によるイエローカード以外の反則には、適切なカードを示すことができる。
3.アフリカネーションズカップ決勝 セネガル vs エジプト(2月6日)
事象:PK戦前のコイントス。主審は両チームの選手に、「最後のキックはVARがチェックした後に勝敗が確定する」ことを伝えた。
見解:VARはPK戦もチェックを続ける。主にGKがゴールライン上に足を残していたかを見るが、仮に最後のキックがセーブされた後にやり直しとなっても選手たちが混乱しないようマネージメントをした。見事なコミュニケーション。
PK戦前にVARが見ていること、ゴールラインに足を残すことをGKに伝える主審は多いけど両者ゴールライン上に立たせて説明するのはヴィクターゴメスさんならでは。素晴らしいマネージメントなのでぜひ音量アリで見てみてください
そして最後のキックなどつねにVARがチェックをしているから安心して。改めて幸運を祈る」
4.女子アジアカップ決勝 中国 vs 韓国(2月6日)
事象:中国16番の腕にボールが当たるも主審はノーファウルと判定。VARはレビューを勧め、結果的に主審は韓国にPKを与える判定を下した。
見解:腕は上がっているが、16番の選手が滑り込んでボールに触れた後の自然な動きに見える。PK判定は支持できるものの、筆者の意見としてはVARは介入すべきではなかったと考える。
5.女子アジアカップ決勝 中国 vs 韓国(2月6日)
事象:韓国17番の右腕にボールが当たり、主審はハンドの反則でPKを与えた。
見解:腕は体についており、厳しい判定。ただ、17番の選手はシュートに対して体が反応しているため、ハンドの判定が下されるリスクも否めない。よって、VARが主審の判定をサポートしたのは妥当だと考える。
シリーズ第1回となる本記事では、以上の5事象を紹介させていただいた。また、レフェリングを楽しむうえで欠かせない「VAR」についての記事も、本ニュースレターにて公開している。気になった方やもう一度復習したい方は、ぜひこちらも目を通してみてほしい。
文:攻劇(@kogekidogso)
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ディ アハト編集部
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