リシャーリソン・ガイドブック~エバートンからトッテナムへ、愛を込めて~

こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第78回は、エバートンファンの編集部メンバー・BF氏(@bf_goodison)による、リシャーリソンの解説記事をお届け。ピッチの内外の姿や魅力を、エバートンファン2人を交えてファン目線で語りつくします。ぜひお楽しみください!
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◇はじめに
ついにイングリッシュ・プレミアリーグが開幕。今季の展望やビッグネームの動向、新戦力への期待といった話に花を咲かせていた我々サポーターにとっても、新たなシーズンが始まった。
特に、22/23シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を手にしたトッテナム・ホットスパーFCは、移籍市場の幕開けと共に積極的な補強を敢行した。アントニオ・コンテ監督の望むスカッドが整ってきたのではないだろうか。
さて、その中でもエバートンファンの筆者が注目するのは、我らがトフィーズのヒーローでありファンから愛された男、リシャーリソンだ。

彼との別れを思うと色々な感情が湧き出てくるが、移籍からはや1ヶ月以上が経ち、今は寂しさよりも期待が勝っている。次の舞台で、エバートンでは見られなかった輝かしい姿を披露してくれる、そんな気がしてならないのだ。
今回そんなリシャーリソンを、トッテナムのサポーターの方々に好きになってもらえるよう(そして願わくばすべてのサッカーファンの皆様に興味を持ってもらえるよう)本記事を執筆する運びとなった。いわばトッテナムのサポーターへ向けた、リシャーリソンのガイドブック(あるいはトリセツ、入門書、手引き)という位置づけに、本記事がなれたら幸いだ。
遅かれ早かれ、きっとスパーズファンの方々も彼の魅力に虜になるはず。本記事がその入り口になる役目を果せられればと思う。
さて、今回彼の魅力を記事として発信するにあたり、筆者は2名のエバトニアンにインタビューという形でご協力をいただいた。彼らの視点を通して、多角的にリシャーリソンの人物像に迫りたい。次のサポーターへ繋がる、それぞれの愛を込めたバトンを渡す想いで執筆させていただこうと思う。
◇インタビュイーのご紹介
・おら鳥栖
名前が鳥栖なのに京都サンガF.C.を応援する、アクティブ・エバトニアン。今季、青春18きっぷを駆使して京都サンガのゲームを全試合現地で観戦中。サンガファンをエバートンファンに、エバートンファンをサンガファンにする計画を密かに実行している。グディソンパークでリシャーリソン本人からのファンサービス経験者。
・pon
極東エバトニアンきってのリシャーリソンファン。コパ・アメリカ2019に招待国として参加した日本代表を追う中、決勝戦で彼を見たことがきっかけで虜に。日頃は大学サッカーなどのアンダーカテゴリーからJリーグ、日本代表まで広く追跡中。昨季ついに海外サッカーデビューし、さらにフットボール漬けが加速する日々を過ごす。今年6月のキリンチャレンジカップでは、日本代表vsブラジル代表戦で生リシャーリソンを拝む。

Fotos: Lucas Figueiredo / CBF
◇選手プロフィール
名前:Richarlison de Andrade
(カタカナ表記ではリシャルリソン、リチャーリソン、リシャーリソンなど。英語実況ではリチャーリソンと聞こえることが多い)
愛称:リッチー、リシャ
国籍 / 出身:ブラジル / ノヴァ・ベネチア
生年月日:1997年5月10日(25歳)
身長:184cm
ポジション:FW
(カルロ・アンチェロッティは、リシャーリソンの適正ポジションを "Center Left" と例えている)
プレミアリーグ通算記録:173試合出場 48ゴール 16アシスト
Twitter:@richarlison97
Instagram:@Richarlison
◇リシャーリソンの魅力
インタビュー:ファンの声①
BF:まずは、今回ご協力下さるおら鳥栖さん、ponさん、どうぞよろしくお願いいたします!
おら鳥栖 / pon:よろしくお願いします!
BF:早速ですが、おふたりにとってのリシャーリソンの魅力を教えてください。
おら鳥栖:リッチー(リシャーリソン)のひたむきな姿勢が好きですね。冷静に淡々とプレーする選手とはまた違う魅力があると思います。プレーの一つひとつにファンが熱くなるような、ギラギラしたものが伝わってきますね。
pon:私は献身性や、がむしゃらなところ、足を止めないところですね。でも、プレーが熱く見えて実は冷静にチーム状況を把握できる選手だとも思います。立ち回り方を理解して、劣勢時は守備で貢献したり。
「目」が良いですよね、スイッチが入った時が分かりやすくて。オン、オフどちらも好きですね。
BF:目つきは確かに良いワードですね!おら鳥栖さんが仰るような、ギラつきも伝わってくる部分です。
pon:オフの面で言うと、いつもタンバリンを持ち歩いてますよね!(笑)あれは自前なのかな?
おら鳥栖:確かに!この前の遠征へ向かう飛行機でもガンガン叩いていましたね(笑)。
pon:リシャはすぐ喧嘩腰になっちゃうというのはよく言われてしまいますけど、年下のアンソニー・ゴードン君には兄貴気質な面を見せたり、イェリー・ミナとか南米組といる時はおちゃらけたところもあるし。環境に自分の身を置くのが上手だな、と思いますね。
BF:その点だと、新天地のスパーズでもどんな風に馴染んでいくのかが気になりますよね。
pon:最近スパーズジャパンさんのツイートを拝見するようになったんですけど、ソン・フンミンとリシャーリソンはもう親友らしいですよ!(笑)

(これまで激しいバトルを繰り広げてきたロメロとリシャーリソン。プレシーズンでは既に2人でソンをかばうシーンも)
解説:未完成という魅力
彼はエバートンを支えてきたエースだが、同時にいまだ発展途上のフットボーラーでもある。これからまだまだ大きくなる、伸びしろある選手なのだ。
先日、リシャーリソンの移籍後に筆者個人のnoteで彼についての記事を執筆した。主に21/22シーズンのパフォーマンスとデータを分析して特徴を探りながら、エバートンは今後彼の穴をどのように埋めるのか考察したものとなる。エバートンでの彼を深く知りたい方は、ぜひご一読いただけると幸いだ。
こちらの記事で述べたリシャーリソンの特徴を簡単にまとめると、彼は「貪欲にゴールを目指し、チームのために自己犠牲を厭わない、献身的なプレーヤー」である。
この見解がなぜ、発展途上、伸びしろ=「未完」に繋がるかというと、プレミアリーグでは弱者の立ち位置であるエバートンと、スター選手に囲まれたブラジル代表とでのリシャーリソンは別の表情を見せているからである。
度重なる監督交代で戦術が継続的に構築されず、成績の安定しないエバートンではリシャーリソンの能力を最大限に活かしていたとは考えにくい。一方で、ブラジル代表という歴戦のスター選手に囲まれた環境では、限られた時間であってもよりゴールに迫った「怖さ」がプレーに押し出されていたと筆者は感じる。
ディ アハト第76回では、白水氏によるアントニオ・コンテ監督のチーム分析が行われている。
記事内では、リシャーリソンについても触れられている。トッテナムの最終ラインからのビルドアップ、前線がボールを引き出す役割、降りる、追い越すなどの動き。リシャーリソンの献身性を踏まえ、どのようにブラッシュアップされるか楽しみなところだ。
エバートンから獲得を発表したブラジル代表のリシャルリソンはフィジカルバトルを厭わない武闘派FWで、機動力も兼ね備えている。ボールを動かしながら連動してゴールに迫るトッテナムにとって、面白い補強になるのではないだろうか。
きっと、彼は世界的にもトップクラスの選手であるハリー・ケインやソン・フンミンといった実力者を味方につけ、本当の魅力がもっと引き出されていくだろう。そして、トップを争うチームで切磋琢磨する中で求められるレベルもより引き上がり、彼の潜在能力が顔を出し始めるはずだ。自身初のW杯を控え、憧れとして抱き続けたチャンピオンズリーグに出場できるチャンスがトッテナムでは掴める。
私たちのようなエバートンファンの知らないリシャーリソンへと、化けるかもしれない。未完成だった1人の選手が真骨頂へと導かれる、今回の移籍はその一歩になるはずだと信じてやまない。
◇エピソード&豆知識
インタビュー:ファンの声②
BF:続いて、リシャーリソンにまつわるエピソードや、ファンだからこそ知る豆知識・情報などを通して、彼の人間性に触れたいと思います。
おら鳥栖:私は、リシャーリソンからファンサービスを受けた数少ない日本人としてのエピソードをひとつ……。
私が現地観戦したのは19/20シーズンのホーム、エバートン対マンチェスター・シティ戦です。その日は1-3で敗北。負け試合かつ、試合後には雨が降ってきたんですよ。それでファンサービスには、なかなか選手が来なくて。
それでも出てきてくれたのは、シグルズソン、ピックフォード、コールマン……そしてリシャーリソン。みんな子どもたちにはサラッとサインをするんですけど、雨に濡れながらでも全員にサインしていたのはリシャーリソンだけでした。私は最初、ペンが濡れてインクが出なくて。でも改めて用意してお願いすると、彼は快く対応してくれましたね。
BF:当時の彼はまだ、21か22歳くらいですよね。その時すでにファンサービスを徹底していたんですね、かっこいいなあ……。
おら鳥栖:実は私、彼と同い歳なんですよね。差がすごいなあと思っちゃいました(笑)。とにかく純粋にいいやつだな……と。どうやら彼は、幼い時にサインをもらって嬉しかったから自分も徹底しているみたいですね。僕の好きなカルヴァート=ルーウィンは姿も見せなかったですよ(笑)。
BF / pon:いいなあ~~~!
BF:では、続いてponさんお願いします。
pon:私はまだファンサービスを受けた経験がないので、リシャーリソンのSNSについてご紹介します。もし、直接現地へ行けなくてもSNSで触れ合えるチャンスがあります。
彼は、自分が投稿したInstagramのストーリーズを見て足あとを付けてくれたり、Twitterでもファンのツイートにリプライなどで反応をくれます。例えば今回の移籍前、リシャーリソンの移籍報道に悲しむファンのお子さんと、そのお母さんのツイートに対してリプライを送っていましたよ。

BF:リシャーリソンって、SNSの更新頻度は高めですよね。
pon:特に勝ち試合の後はInstagramのストーリーズをよく見てくれます。負けた時はあんまり見ないのかな。Twitterでメッセージを送ったことはないですが、InstagramのDMで送ったことはあるんです、超簡単な中学英語とかで(笑)。
BF:なるほど!でも、それが1番応援の気持ちがダイレクトに伝わりそうですよね。おすすめは勝ち試合の後ということで……(笑)。メンションをつけて、ぜひトッテナムファンの方々も送ってほしいですね。
pon:そうですね!あと、私の1番好きなエピソードもお話しさせてください。コパ・アメリカで優勝した試合後のインタビューなんですけど。
「今日はお婆ちゃんの誕生日なんだ、自分のゴールを捧げたい」ってインタビューで発言した後、インタビュアーにおばあちゃんの名前を聞かれたんです。でも彼は、あまりにも興奮しすぎて忘れちゃったんですよね(笑)。
(祖母の名前を聞かれるも思い出せないリシャーリソン。その後カゼミーロのインタビュー中に思い出し、陽気にカメラ前に飛び込んで答えた)
BF:リシャーリソンの無邪気な一面が垣間見えたエピソードですよね。
pon:家族思いですよね!
そういえば最近、リシャーリソンがTiktokを始めましたね。急にInstagramのストーリーズに、「Tiktok始めたよ!」って投稿したんです。私は今までTiktokのアプリを入れていなかったんですけど、これはインストールするしかない!となりましたね。
BF:InstagramやTwitterはもちろん、今後はTiktokも要チェックですね。私もインストールするかな……
おら鳥栖:そういえば、この前も画像を作ってリヴァプールを煽ったりもしていましたよね。今までで1番バズってたんじゃないかなあ。
BF:軽く炎上していましたね。こういうケースはこれからも増えそうです、アーセナルファンを敵に回したり……(笑)。
おら鳥栖:反応が四方八方から飛んできそうですね。
pon:敵は作りやすいですけど、こうしてファンを盛り上げるという意味では重要な要素でもあるなあ、と感じます。
BF:ただ、トッテナムはエバートンとは規模が違いますからね、また叩かれちゃうかな……。
解説:生い立ちと仕草
決して裕福な環境で過ごせなかった幼少期のリシャーリソン。だからこそ、プロとなった現在は、自身が幼い頃に受けた経験や影響をファンへあらゆる形で還元。多くのファンから愛される要因のひとつとなっている。
MLBのNYヤンキースに所属したレジェンド、デレク・ジーターによって設立された「The Players' Tribune(ザ・プレーヤーズ・トリビューン)」というスポーツ・メディアで、2020年にリシャーリソンの記事が公開された。このメディアの特筆すべき点は、インタビュー形式ではなく選手自ら語り綴るタイプの記事形式であることだろう。
記事では、彼が幼い頃に鬱病を患った父との記憶、裕福でなかった家庭を支えるためアイスキャンディーを売ったり洗車場で働いたりといった経験、地元に蔓延るドラッグ、銃口を向けられ死を覚悟したエピソードなどが本人の口から語られる。ブラジルが抱えるリアリティと深刻な背景を感じる内容となっている。
そして、トライアルを受けるも失格の烙印を押され続けた少年時代、練習に参加するためのスパイクすら人から借りなければいけなかった環境。それが今ではいくつもの不遇を拭い去り、スパイクやユニフォームをプレゼントする立場になっている。彼を知る上でぜひ読んでいただきたい記事だ。
過去の経験から生まれた「優しさ」を挙げた一方で、前述の通り「貪欲さ」もリシャーリソンの特徴である。だが、それが良い方向へ行かないこともしばしば起こる。これは彼の長所であり、短所でもあると言える。
解説:SNSでのパフォーマンス
SNSの更新頻度が高いリシャーリソンだが、時にはライバルチームのファンを煽るケースも発生する。ファンを盛り上げ、ライバルには徹底的に嫌われる。
決して褒められる仕草ではないものの、彼らしい素振りのひとつである。ゴール後のピジョン・ダンス同様、新たなファンの方にはお馴染みのパフォーマンスとなるだろう。
解釈:ピッチ外での仕草
先ほども出た「常にタンバリンを持ち歩いている説」のように、盛り上げ役、ムードメイカーとしての側面も持つリシャーリソン。チームでの身の置き方が上手い性格の通り、インタビューでもブラジル人らしい陽気さを見せている。そんな彼のお茶目さは、あらゆる場面で場を和ませるものとなりそうだ。
ブラジル代表が優勝を勝ち取ったコパ・アメリカ2019を取材した、Amazon Prime Videoで見ることができる『All or Nothing』では、トレーニング中にエデルソン(マンチェスター・シティ)にしつこくイタズラをするなど、大物たちを相手にしても動じない内面が滲み出ている。チームメイトと一緒に踊ったり歌ったりと、時には行き過ぎつつも意気揚々な姿が微笑ましい。
しかし、冒頭にもあったようにオンとオフの切り替えも特徴的で、一度ピッチに立てば司令塔のように立ち振る舞うリシャーリソンに対し、ダニ・アウヴェス(プーマスUNAM)など先輩プレーヤーたちはそのカリスマ性に太鼓判を押している。
ピッチ内ではチームを導き、ピッチ外ではあらゆる場面でチームを盛り立てる。このスイッチの切り替え具合いを知るのも、ファンとしてギャップを楽しめる要素だ。
解説:ピッチ上での仕草
(1)ファウル
リシャーリソンは大きな試合やダービーになると、滾ったアドレナリンを抑えきれないような仕草がある。時にフラストレーションが溜まり、危険なファウルを犯すことは一度や二度ではなかった。
20/21シーズンのホーム、マージーサイド・ダービーではチアゴ・アルカンタラ(リバプール)へ危険な接触。ゲームは2-2の引き分けだったが、後味の悪い1発レッドを受けた。
21/22シーズン、同じくダービーマッチとなるアウェイの一戦では、ヘンダーソン(リバプール)に対し足裏でのスライディング。これはヘンダーソンのすねへ当たり、退場となってもおかしくないファウルだった。
(ディアハト第59回では編集部の攻劇氏がリシャーリソンによるヘンダーソンへの該当シーンを抜粋し見解を紹介)
(2)被ファウル
リシャーリソンは21/22シーズン、総被ファウル数がプレミアリーグで4番目の多さを記録している(FBrefのスタッツを参照)。
とにかく倒れる機会が多く(チームのため)、大袈裟に痛がったり転がるパターンがほとんどなので、怪我をしないか心配になってしまう。ところが、彼の仕草に慣れてくきたファンは「あ、これは痛くないやつ」と判断ができるようになる。ただし、本当に痛い時はうずくまって動かない(極東エバトニアン調べ)。
ちなみに彼にしては珍しく、21/22シーズンに今夏エバートンへ加入したDFジェームス・ターコウスキから鋭いタックルを受け負傷離脱した。
トッテナムでは彼の仕草が良き方向へ働くことを願いつつ、エバートンファンとして懐かしさを覚えるシーンに出会えることを楽しみにしている。コンテがリシャーリソンの良し悪しをどう見ているか、とても興味深い。
◇リシャーリソン、そしてスパーズファンへのメッセージ
インタビュー:ファンの声③
BF:それでは、おふたりにたくさん情報をいただいたところで、移籍したリシャーリソンへメッセージをお願いします!
おら鳥栖:僕の言うことはひとつだけ、エバートン戦では活躍するな!です。他ではいくらでもゴールを決めてもらっていいので(笑)。
BF:とか言っていると、うちとの試合でやりそうですよね……(苦笑)。ええ〜嫌だな、ゴールを決められたら……。
おら鳥栖:スパーズとの試合は10月にロンドンでありますね。怪我をしないためにも、彼は試合には出ない方がいいですね。ブラジル代表の方が大事ですから。エバートンなんかには、ソンとケインさえいたら十分点は取れますよ。リシャーリソンは出さなくても大丈夫(笑)!
BF:どれくらい出場機会があるか気になりますね。リーグ中断前に調子を上げつつ怪我だけは避けてほしいです。スパーズはかなり補強しましたし、大成功しないと。レギュラー争いも楽しみです。
pon:私からは2つあります!まずは、得点王をとって欲しいこと。
BF:おお!
pon:後は、チャンピオンズリーグに出たいからとエバートンを去ったので、ちゃんとタイトルを獲れよ!この2つですね。
おら鳥栖:私とは違い、前向きなメッセージ!
BF:今季だけの話ではなくこの先も、エバートンを出たからにはしっかり結果を残せよってことですね。ponさんは今季チャンピオンズリーグは観られるんですか?
pon:もちろん観ますよ!でも実は、CLをまだ観たことがないんです。そもそもこれまで海外サッカーに興味がなかったので。メッシやネイマールくらいしか知らなかったし、どうやったらCL・ELに行けるのかといった仕組みも分かっていませんでした。今は勉強中です。
おら鳥栖:元々、ponさんが観られていたのは大学サッカーとかでしたよね。
pon:そうなんです。アンダーカテゴリーが好きで、選手がプロに上がっていけるかというところを軸に応援して追っていたので。
だから、好きなチームが今までなかったんですよ。昨季リシャーリソンとエバートンを通して、1つのチームを好きになるのっていいな、と思えました。
BF:おお、それはよかったです!
おふたりとも、本日はありがとうございました!それでは最後に、トッテナムファンの方にもメッセージをお願いしてもよろしいですか?
おら鳥栖:リシャーリソンは結構決定機を外してしまうイメージがあるんですが、大事な試合でこそ仕事をしてくれます。叩かずに見守ってあげてね、ということですかね。確かゴール期待値は低いですもんね。
BF:決して高くはないですね!でも、記憶に残っているゴールは多いという。すぐに評価せずに、辛抱して待っていてほしいですね。
おら鳥栖:きっと大一番のノース・ロンドン・ダービーで決めてくれますよ!
pon:私はもう、『All or Nothing』を観てね!これだけです。エピソード5(最終話)の最後の20分だけでも観てほしいです。
BF:たしかに『All or Nothing』はオススメです。リシャーリソンの人間性が垣間見れますよね。
◇バトンタッチ
ここまで「リシャーリソン・ガイドブック」を書くことを目指し、読者の方々にお付き合いいただいた。
リシャーリソンは、いるのといないのではチームに及ぼす影響度が大きく変わる選手だと筆者は考えている。ある時はピッチで蛇のように鋭い眼光でゴールを狙い、獰猛なジャガーさながらに獲物を追い回す。かたや、愛くるしい犬のように仲間たちと触れ合い、自らの居場所を作っていく。
キャリアの中盤に差し掛かったリシャーリソンにとって、本当の勝負はこれからだ。コンテが苦手とする過密日程はもちろん、ケインやソンにかかる負担を和らげる役目も期待できる。冬からフィットしたクルゼフスキは強力なライバルで、激しいポジション争いが予想される。だが、そんな彼らに何も譲るつもりはないのがリシャーリソンの魅力的なところだ。
1羽の無垢で不器用な鳩が色を変え、鶏の群れに飛び込む。一見、馴染めるのか不安になりつつも、いずれカナリア色に輝く瞬間がやってくる。彼は、私たちエバートンファンに多くの夢を見せてくれたが、それは夢のままで終わってしまった。叶えられなかった悔しさを次のサポーターへ託し、私たちは次のヒーローを待つことにしたい。
ありがとう!リシャーリソン!
熱きスパーズファンたち、後は頼んだ!
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