攻劇の目 先週の気になるジャッジ#5
こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第51回は、先週行われた様々な試合の中から注目のジャッジを解説するシリーズ記事をお届けします。ぜひお楽しみください!
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Twitterを中心に様々なレフェリングの解説を行っている攻劇(@kogekidogso)が、前週に世界中の試合で起きた判定についての解説と見解を述べていく連載企画「攻劇の目」。一部の事象には動画リンクを掲載しているので、ぜひ文章とともにじっくりご覧いただきたい。
1.プレミアリーグ第28節 ワトフォード vs アーセナル(3月6日)
事象:アーセナル9番が相手エリア内に侵入すると、ワトフォード15番と接触し転倒。主審は、ノーファウルと判定した。
見解:ワトフォード15番はボールに触れていない。接触の仕方を見ても、PKになるリスクは非常に高い事象だと考えられる。その一方、「倒れるほどの接触の強度ではない」と主審が判断した場合、実際のスピードで映像を確認したVARがその判定をフォローするという流れも理解できる。よって、VARが介入しなかったことはミスではない、というのが本事象に対する筆者の見解だ。
2.スコティッシュ・プレミアシップ第30節 リヴィングストン vs セルティック(3月6日)
事象:セルティック38番のシュートがリヴィングストン5番の左腕に当たり、主審はハンドの反則でセルティックにPKを与えた。
見解:スライディング時の体を支える手や腕にボールが偶発的に当たる場合、ノーハンドとなる。ただ、この事象は、体を倒すことにより「シュートを体に当ててブロックすることを試みた」ようにも見える。その結果として腕でブロックしたのであれば、それはハンドの反則となる。そのため、主審の主観に委ねられる事象だと言えるだろう。
3.セリエA第28節 ナポリ vs ミラン(3月6日)
事象:ミラン、ナポリの両方にペナルティーエリア内での接触があったが、いずれもPKは与えられなかった。
見解:ミラン4番が倒れたシーンに関しては、多くのレフェリーがノーファウルだと考えると推測される。接触したナポリ26番は止まっており、意図的に進路を塞いだようにも見えないことがノーファウルの理由だ。
一方で、ナポリ9番が倒れたシーンに関して筆者はPKであると考える。ミラン23番が後方からタックルしており、これはファウルに相当する接触だと感じられたからだ。おそらく主審は、「ナポリ9番がミラン23番の足を出すコースに自らの足を置いた」ことで接触を生み出したと判断したのだろう。
4.J2リーグ第3節 徳島ヴォルティス vs 東京ヴェルディ(3月6日)
事象:徳島14番が決定的な得点機会を阻止したと判断し、主審はレッドカードを示した。
見解:浮き玉のロングボールをトラップする前にファウルを受けた場合、ボールを確実にコントロールしたとは言い切れないことから、決定的な得点機会阻止にあたらない場合が多い。しかし、今回はファウルが発生した時点でボールのスピードは減速しており、バウンドしたボールの高さもコントロール可能な場所にある。このため、決定的な得点機会と判断できる。
すぐ横に徳島6番がいることを理由に、もしイエローカードという判定であっても、サポートできると筆者は考える。とはいえ、今回レッドカードが示されたことは妥当な判定だと言えよう。
5.メジャーリーグサッカー第2節 ロサンゼルスFC vs ポートランドティンバーズ(3月6日)
事象:ポートランドティンバーズ5番がロサンゼルスFC9番に手をかけたところがファウルとなり、2枚目のイエローカードでレッドカードが示された。
見解:プレーに大きな影響を与えるほどの接触には見えないが、手をかけたことも事実。個人的にはノーファウルと考えるが、主審の判定も理解できる。
ただ、これをファウルとする場合、一貫した基準が適用されないと試合は荒れてしまうだろう。試合相手選手を押さえることでサイドから中への突破を阻止したため、ファウルとするのであればイエローカードは出て然るべきだ。
シリーズ第5回となる本記事では、以上の5事象を紹介させていただいた。また、レフェリングを楽しむうえで欠かせない「VAR」についての記事も、本ニュースレターにて公開している。気になった方やもう一度復習したい方は、ぜひこちらも目を通してみてほしい。
攻劇の目 #4はこちら! ↓
文:攻劇(@kogekidogso)
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ディ アハト編集部
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