攻劇の目 先週の気になるジャッジ#13

審判活動の傍ら、様々なリーグやカテゴリーの試合におけるレフェリングの解説を行う攻劇(@kogekidogso)が、世界中の試合から注目のジャッジをピックアップ。各事象について、ルールの解説や見解を述べていくシリーズ記事です。
ディ アハト編集部 2022.05.26
誰でも

こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第67回は、先週行われた様々な試合の中から注目のジャッジを解説するシリーズ記事をお届けします。ぜひお楽しみください!

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Twitterを中心に様々なレフェリングの解説を行っている攻劇(@kogekidogso)が、前週に世界中の試合で起きた判定についての解説と見解を述べていく「攻劇の目」。

公開されている動画に該当シーンが含まれる事象は、その動画リンクも掲載している。ぜひ、文章とともにじっくりご覧いただきたい。

1.WEリーグ 第21節 ちふれASエルフェン埼玉 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(5月15日)

事象:千葉15番が抜け出すとペナルティーエリア手前で転倒。主審は埼玉20番のファウルと判定し、レッドカードを提示した。

見解:ファウルであれば決定的な得点機会の阻止として、自動的にレッドカードが示される状況。千葉15番のダイブという意見もあるが、もともとバランスを保てていないとはいえ埼玉20番が転倒した結果千葉20番の左足に触れたため、この部分でトリッピングのファウルと判定することは問題ないと考えられる。よって妥当な判定といえよう。

2.WEリーグ 第21節 ちふれASエルフェン埼玉 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(5月15日)

事象:1.で取り上げたファウルで与えられたFKから、千葉が得点。ただ、千葉3番とGKが接触していることから、「得点は認めてよかったのか」という疑問の声があった。

見解:現在の競技規則にキーパーチャージの反則はない。よって、この接触はサッカーの一部として認められるものと考えられる。一方、千葉3番はオフサイドポジションにおり、ヘディングシュートされたボールをセーブしようとするGKのプレーに影響を与えていると筆者は判断する。すなわち、接触自体はノーファウルだが、オフサイドを取るべきだったというのが筆者の見解だ。

3.プレミアリーグ 第38節 ブレントフォード vs リーズ(5月22日)

事象:CKのこぼれ球からリーズが得点。ゴール前のリーズ19番はオフサイドポジションだが、得点は認められた。

見解:シュートされたボールはリーズ19番の非常に近い位置を通過したわけでもなく、シュートした選手とGKの直線上にいたわけでもない。そのため、19番のオフサイドを取る必要もない。正しく得点は認められたと考えられる。

4.DFBポカール 決勝 フライブルク vs ライプツィヒ(5月21日)

事象:フライブルク22番の腕にボールが当たり、直後に味方選手がゴールネットを揺らす。ライプツィヒ側はハンドの反則をアピールしたが、得点は認められた。

見解:フライブルク22番の「トラップしたボールが跳ねて偶発的に腕に当たった」と判断すれば、ノーハンド。ハンドの反則と判定しても問題はないが、本人が得点していないため強制的なハンドの反則には該当せず、妥当な判定と考えられる。

5.明治安田生命J2リーグ 第17節 FC琉球 vs ヴァンフォーレ甲府(5月21日)

事象:88分のシーン。甲府9番と琉球20番が接触。甲府はPKをアピールするも、ノーファウルと判定された。

見解:倒れ方からノーファウルと判定した主審の気持ちはわかるが、後方からトリッピングされたように見えるため、筆者はPKが与えられてもおかしくないシーンだと考える。ただ、「確実な誤審とはいえないような接触」でもあると感じられる事象だった。

シリーズ第13回となる本記事では、以上の5事象を紹介させていただいた。また、レフェリングを楽しむうえで欠かせない「VAR」についての記事も、本ニュースレターにて公開している。気になった方やもう一度復習したい方は、ぜひこちらも目を通してみてほしい。

攻劇の目 #12はこちら! ↓

文:攻劇(@kogekidogso)   

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ディ アハト第67回「攻劇の目 先週の気になるジャッジ#13」、お楽しみいただけましたか?

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