攻劇の目 先週の気になるジャッジ#9

審判活動の傍ら、様々なリーグやカテゴリーの試合におけるレフェリングの解説を行う攻劇(@kogekidogso)が、世界中の試合から注目のジャッジをピックアップ。各事象について、ルールの解説や見解を述べていくシリーズ記事です。
ディ アハト編集部 2022.04.15
誰でも

こんにちは、ディ アハト編集部です。本ニュースレターをお読みくださりありがとうございます。第56回は、先週行われた様々な試合の中から注目のジャッジを解説するシリーズ記事をお届けします。ぜひお楽しみください!

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 Twitterを中心に様々なレフェリングの解説を行っている攻劇(@kogekidogso)が、前週に世界中の試合で起きた判定についての解説と見解を述べていく「攻劇の目」。

 公開されている動画に該当シーンが含まれる事象は、その動画リンクも掲載している。ぜひ、文章とともにじっくりご覧いただきたい。

1.J2リーグ第9節 ベガルタ仙台 vs レノファ山口(4月10日)

事象:82分、山口6番が仙台24番を倒し、イエローカードが提示された。

見解::イエローカードは妥当な判定と考えられる。「仙台24番は抜け出しているように感じられるため、決定的な得点機会の阻止としてレッドカードを出すべき」という意見も理解できるが、仙台24番の真横に別の味方DFがいることから筆者は主審の判定をサポートしたい。

2.プレミアリーグ第32節 アーセナル vs ブライトン(4月9日)

事象:アーセナル35番がゴールネットを揺らす。ピッチ上の判定は得点だったが、VARがオフサイドラインを生成し、最終的にオフサイドでノーゴールとなった。

見解:VARはまず、「アーセナル35番の前にボールに触れた選手がどちらのチームか」を確認。アーセナルであったため、オフサイドラインの生成に移った。オフサイドラインの対象となるブライトン3番の足は、ゴールラインカメラとペナルティーエリア横カメラの両方で隠れているが、VARは「足よりも肩の方がゴールに近い」と判断。よって、中継映像では分かりづらいが、ブライトン3番の右肩がオフサイドラインの対象となり、結果的にオフサイドと判定された。

 このようなプロセスをリアルタイムに把握することは難しく、アーセナルファンが判定を疑問視することは十分に理解できる事象といえよう。個人的には肩の方が足よりもゴールに近いとは思うものの、それを示す明確な証拠はないように感じられる。そのため、得点が認められてもおかしくはなかったというのが筆者の見解だ。

 なお、仮にJリーグで同様の事象が発生した場合、オフサイドラインを生成する位置の特定が難しく、得点は認められたと推測されえる。

3.J2リーグ第9節 モンテディオ山形 vs ブラウブリッツ秋田(4月10日)

事象:秋田GKが、ペナルティーエリアの外で手を使ってシュートセーブ。主審はレッドカードを提示した。

見解:秋田GKの後ろに味方選手はいないため、得点の阻止として退場とする判定は正しいだろう。前節の山形の試合で競技規則の適用ミスによる退場があったが、本事象において主審は自信を持ってレッドカードを提示しており素晴らしい判定である。

4.カテゴリア・プリメーラA(コロンビア1部)  アリアンサペトロレラ vs メデジン(4月10日)

事象:メデジン18番が自陣でバランスを崩し転倒。咄嗟に手でボールを抱え、主審はイエローカードを提示した。ここにVARが介入し、レビューの結果判定はレッドカードに修正された。

見解:メデジンの他の選手がカバーに入ることは難しく、ゴールに近い位置である。そのため、決定的な得点機会の阻止という最終判定は正しいと筆者は考える。

5.ラリーガ第31節 エルチェ vs レアルソシエダ(4月10日)

事象:PKキッカーのフェイントが不正と判断され、キッカーにイエローカードが提示された。

見解:助走中のフェイントは認められるが、助走を終えてボールを蹴ろうと振った足を止めているためこれは不正なフェイントである。主審はギリギリまでキッカーを見ていないようだが、しっかりと見極めた。

シリーズ第9回となる本記事では、以上の5事象を紹介させていただいた。また、レフェリングを楽しむうえで欠かせない「VAR」についての記事も、本ニュースレターにて公開している。気になった方やもう一度復習したい方は、ぜひこちらも目を通してみてほしい。

攻劇の目 #8はこちら! ↓

 文:攻劇(@kogekidogso)  

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ディ アハト第56回「攻劇の目 先週の気になるジャッジ#9」、お楽しみいただけましたか?

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